【筋トレの常識崩壊?!】5〜30レップの真実!回数より重要なこととは?
「筋肥大には8〜12レップが効果的」
筋トレをしているあなたは、そんな言葉を聞いたことはありませんか?長年、筋トレ界では常識とされてきたこの法則。しかし、最新の研究結果はこの常識を覆しつつあります。
※レップ=反復回数
今回は、筋肥大におけるレップ数の真実について、世界的権威であるブラッド・ショーンフェルド博士の研究結果を交えながら解説していきます。長年の常識を疑い、科学的根拠に基づいたトレーニング方法で、効率的に筋肉を大きくしていきましょう!
この記事を読めば、あなたに最適なレップ数が見えてくるはずです!
8〜12レップ神話の崩壊?!筋肥大に最適な回数とは?
筋トレ愛好家なら一度は耳にしたことがある
「8〜12レップで限界がくる重さでトレーニングするのが筋肥大に最適」
という理論。これは、NSCA(全米ストレングス&コンディショニング協会)という、トレーナーの資格などを認定する権威ある団体が提唱した「レップレンジ理論」に基づいています。
しかし、近年の研究では、この理論に疑問が投げかけられています。ショーンフェルド博士は、
「5〜30レップの範囲であれば、筋肥大の効果に大きな差はない」
という研究結果を報告しており、これは他の研究機関からも支持されています。(※1, ※2)
【研究結果例】
Schoenfeld, B. J., et al. (2015). Strength and hypertrophy adaptations between low- versus high-load resistance training: A systematic review and meta-analysis. Journal of Strength and Conditioning Research, 29(11), 3173-3183.
このメタアナリシスでは、低負荷高レップトレーニングと高負荷低レップトレーニングを比較した複数の研究を分析した結果、筋肥大効果に有意な差は見られなかったと結論付けています。
Krieger, J. W. (2010). Single vs. multiple sets of resistance exercise for muscle hypertrophy: A meta-analysis. Journal of Strength and Conditioning Research, 24(4), 1150-1159.
このメタアナリシスでも同様に、セット数に差があっても、トレーニング量(セット数×レップ数×重量)が同等であれば、筋肥大効果に有意な差は認められなかったと報告されています。
これらの研究結果は、「レップ数」という単一の要素だけで筋肥大の効果を判断することはできないことを示唆しています。ショーンフェルド博士は、自身の研究や他の研究グループの結果を踏まえ、「レップ数よりも、適切な負荷とトレーニング強度で、筋肉を限界近くまで追い込むことのほうが重要」と結論づけています。
ポイント:5〜30レップであれば筋肥大効果に大きな差はない!重要なのは筋肉を限界まで追い込むこと!
低レップトレーニングの落とし穴!高重量は諸刃の剣?!
5〜30レップであれば効果に大差はないとはいえ、低レップトレーニング(5〜8レップ)には注意が必要です。高重量を扱う低レップトレーニングは、関節や神経系への負担が大きいため、オーバートレーニングや怪我のリスクが高まります。
例えば、ベンチプレスで7レップ×3セットを行う場合、高重量を扱うため、肩や肘の関節に大きな負担がかかります。
ショーンフェルド博士の研究では、7レップ×3セットを行うグループは、トレーニング後に「もうこれ以上できない…」と疲労困憊だったそうです。(※3)これは、高重量による筋繊維へのダメージに加え、神経系への負荷も大きいためと考えられます。
高重量を扱う際は、ウォーミングアップを十分に行い、正しいフォームを意識することが重要です。また、トレーニング頻度や回復期間を適切に設定することで、オーバートレーニングを防ぐようにしましょう。
【低レップトレーニングの注意点】
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関節や靭帯への負担が大きいため、怪我のリスクが高まる
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神経系への負荷も大きいため、疲労が蓄積しやすい
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正しいフォームで行わないと、怪我のリスクがさらに高まる
筋肥大の効果を高めるどころか、怪我をしてしまっては元も子もありません。
低レップトレーニングを行う場合は、適切な重量設定と十分な休息を心がけ、自身の体力レベルに合わせて無理なく行うようにしましょう。
ポイント:低レップトレーニングは高重量のため、関節や神経系への負担が大きく、怪我のリスクが高い!
高レップトレーニングは本当に効果がない?そのメリット・デメリットとは
高レップトレーニング(20〜30レップ)は、低レップトレーニングに比べて関節への負担が少ないというメリットがあります。低重量で反復回数が多い分、関節への負担が軽減されるため、怪我のリスクを抑えながらトレーニングすることができます。
例えば、スクワットを25レップ×3セット行う場合、低重量で行うため、膝への負担を軽減できます。
しかし、ショーンフェルド博士の研究では、高レップトレーニングを行うグループは、「キツすぎて、吐きそうになった…」という声が多く聞かれたそうです。(※4)これは、高レップトレーニングでは、低レップトレーニングに比べて、筋肉への酸素供給が不足しやすく、乳酸が溜まりやすいためと考えられます。
高レップトレーニングは、精神的な苦痛や集中力の維持が課題と言えるでしょう。
【高レップトレーニングの注意点】
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筋肉への酸素供給が不足しやすく、乳酸が溜まりやすい
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精神的な苦痛や集中力の維持が難しい
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低レップトレーニングに比べて、時間がかかる
高レップトレーニングを行う際は、呼吸を止めずにゆっくりとした動作で行うなど工夫してみましょう。また、自身の体力レベルに合わせて無理のない範囲で行うようにしましょう。
ポイント:高レップトレーニングは低重量のため関節への負担は少ないが、乳酸が溜まりやすく、精神的にキツイ!
個人差はあるの?自分に合ったレップ数を見つけるには?
ショーンフェルド博士の研究では、レップ数による個人差については明確な結論は出ていません。しかし、筋線維の種類によって、適したレップ数が異なる可能性は示唆されています。
速筋線維は、瞬発的な動きを得意とする筋肉繊維で、高重量・低レップトレーニングとの相性が良いとされています。
遅筋線維は、持久力に関与する筋肉繊維で、低重量・高レップトレーニングとの相性が良いとされています。
線維の種類 | 特徴 | 適したトレーニング |
速筋線維 | 瞬発力が高い、疲れやすい | 高重量・低レップ (例: 1~5レップ) |
遅筋線維 | 持久力が高い、疲れにくい | 低重量・高レップ (例: 15~30レップ) |
ただし、ほとんどの人は速筋線維と遅筋線維をバランス良く持っているため、自分に合ったレップ数を見つけるには、実際に試してみるのが一番です。
【自分に合ったレップ数を見つける方法】
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まずは、5〜30レップの範囲で、様々なレップ数を試してみましょう。
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それぞれのレップ数で、限界まで追い込める重量を見つけましょう。
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トレーニング後の筋肉の疲労感や成長を記録し、自分に合ったレップ数を探しましょう。
自分に合ったレップ数を見つけることで、より効率的に筋肥大を目指せるはずです。
ポイント:自分に合ったレップ数を見つけるには、色々試してみることが重要!
レップ数のバリエーションで効果アップ?!マンネリ化防止にも!
ショーンフェルド博士は、レップ数に変化をつけることを推奨しています。
常に同じレップ数でトレーニングを行うよりも、週ごとや日ごとにレップ数を変えることで、
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様々な刺激を筋肉に与え、筋肥大を促進できる
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特定のレップ数による関節への負担を分散できる
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トレーニングのマンネリ化を防ぎ、モチベーションを維持できる
などのメリットが期待できます。
【レップ数を変えることのメリット】
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筋線維の種類をまんべんなく刺激できる
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特定の関節への負担を軽減できる
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トレーニングのマンネリ化を防ぐ
例えば、以下のようなローテーションでレップ数を変化させてみましょう。
曜日 | レップ数 | 目的 | 例 |
月曜日 | 5〜8レップ | 高重量による筋力アップと筋肥大 | ベンチプレス 5レップ×3セット |
水曜日 | 10〜15レップ | 中重量による筋肥大 | スクワット 12レップ×3セット |
金曜日 | 20〜30レップ | 低重量による筋持久力アップと筋肥大 | デッドリフト 25レップ×3セット |
このようにレップ数を変化させることで、様々な刺激を筋肉に与え、より効果的に筋肥大を目指せるだけでなく、マンネリ化も防ぐことができます。
ポイント:レップ数に変化をつけることで、筋肥大を促進し、マンネリ化を防ぐ!
【結論】筋肥大には、自分に合ったレップ数とトレーニング強度を見つけることが重要!
今回は、筋肥大におけるレップ数の真実について解説しました。
この記事の要点をまとめると、以下のようになります。
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5〜30レップであれば、筋肥大の効果に大きな差はない
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低レップトレーニングは、関節や神経系への負担が大きい
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高レップトレーニングは、精神的な苦痛や集中力の維持が課題
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レップ数に変化をつけることで、様々なメリットが期待できる
「今まで8〜12レップでしか筋トレしてこなかった…」というあなたは、これを機に、様々なレップ数にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
きっと、あなたの筋トレライフがより充実したものになるはずです!
最終結論:5〜30レップの範囲で、自分に合ったレップ数とトレーニング強度を見つけることが、筋肥大への近道!
※参考文献
Schoenfeld, B. J., et al. (2015). Strength and hypertrophy adaptations between low- versus high-load resistance training: A systematic review and meta-analysis. Journal of Strength and Conditioning Research, 29(11), 3173-3183.
Krieger, J. W. (2010). Single vs. multiple sets of resistance exercise for muscle hypertrophy: A meta-analysis. Journal of Strength and Conditioning Research, 24(4), 1150-1159.
Schoenfeld, B. J., et al. (2016). Effects of different volume-equated resistance training loading strategies on muscular adaptations in well-trained men. Journal of Strength and Conditioning Research, 30(7), 1850-1857.
Burd, N. A., et al. (2010). Low-load high volume resistance exercise stimulates muscle protein synthesis more than high-load low volume resistance exercise in young men. PLoS One, 5(8), e12033.